企業経営の方向性
当社は、セキュリティソリューション事業とシステムインテグレーション(SI)を中心に、少数精鋭の組織体制で高い専門性と柔軟性を発揮しています。小規模ならではの迅速な意思決定と、組織の垣根を感じさせないスピーディーな連携を強みに、お客様の課題解決に注力してまいりました。
情報処理技術の活用の方向性
当社は、少人数・高機動の強みを活かし、データを起点に意思決定の迅速化・業務の標準化・品質の均一化を進めています。
データ活用の設計
- 収集:CRMの商談・顧客属性、プロジェクトのタスク・期限・工数、文書管理の議事録・手順、コミュニケーション履歴、公開資産の台帳情報(例:ドメイン・証明書)等を、必要に応じてAPIで取得・更新。
- 整備:入力テンプレートと必須項目を定義し、集計しやすいデータ構造へ標準化。
- 可視化:独自ダッシュボードでボトルネック・期限・リードタイムを見える化。週次・月次の進捗会議で活用。
- 自動化:期限・重要イベントの通知、データ不整合の簡易チェック等をワークフロー化。
- AI活用:要約・分類・初稿作成・異常兆候検知など人の判断を補助する領域に適用。自立型AI(将来像):統合データを連続学習し、経営KPIのドリルダウン提案、トリアージ、改善施策の選択肢提示を行う“サポートAI”へ発展。
具体ユースケース
- 議事録DX:議事録テンプレート運用+AI要約で、意思決定と共有を迅速化。
- 案件進行DX:期日遵守の可視化と超過の要因分析で、遅延の予防を徹底。
- 営業応対DX:一次応答SLAの運用と可視化で、顧客体験の平準化を実現。
- ドキュメントDX:提案/報告のAIドラフトで初稿時間を短縮、品質を均一化。
公開KPI(率・時間・遵守度に統一)
※算出は標準画面のエクスポートや簡易スクリプトで実施可能な範囲に設計。
| 指標 | 定義 | 目標イメージ | 測定の要旨 |
| 議事録24時間以内登録率 | 会議終了→24h以内の登録割合 | 年度内に継続改善 | 会議日時と登録日時の差分 |
| 期日超過チケット率 | 締切超過チケットの割合 | 一桁%台を維持 | プロジェクト管理ツールの一覧集計 |
| 一次応答SLA遵守率(24h) | 初回返信が24h以内の割合 | 90%水準を維持 | CRM/メール履歴の時刻差 |
| AIドラフト活用率 | 文書初稿をAIで作成した割合 | 段階的に拡大 | 文書にタグ/フラグ記録 |
体制・セキュリティ
- 実務執行統括責任者が週次でKPIを確認し、改善を指示。
- ISMSに準拠し、データ分類・アクセス制御・ログ管理を徹底。
- データ鮮度は原則24時間以内更新を目安に運用します。
ロードマップ(連携・AI分析を段階拡張)
- Phase 1:データ定義・テンプレ整備、ダッシュボード1.0。
- Phase 2:期限通知・簡易整合チェック等の軽量自動化。
- Phase 3:API連携を拡張し、KPI自動集計・異常兆候検知を実装。
- Phase 4:自立型AIが経営判断を補助。運用で得た知見をサービス化して展開。
企業経営及び情報処理技術の活用の具体的な方策(戦略)
当社は、機動力と技術力を最大限に活かし、以下の3つの戦略を軸に事業成長とDX推進を図っています。
- アジャイルな組織体制の構築
- 経営トップを司令塔とする一元的リーダーシップ
CEOがCIOの側面も担っていることにより、DX推進の実務執行統括責任者として、プロジェクトの優先度やリソース配分を迅速に判断します。必要最小限の組織構成を生かし、役割間の壁をつくらず、全社を横断した意思決定を行い、計画から実装までをスピード感をもって進めます。 - プロジェクトごとの柔軟なチーム編成
当社エンジニアの特徴として突出した専門性を備えながらもベースリテラシーを全般的に要するため、プロジェクトに応じて最適な組み合わせによりチームを組成します。アジャイル開発手法を採用することで、必要に応じた修正や改善を短いサイクルで繰り返し、迅速に成果を出します。
- 先端技術の積極導入とセキュリティ重視
- クラウド・AI・DevSecOpsの積極活用
クラウド基盤を活用してスケーラビリティと運用効率を高め、人的稼働の数値化等、デジタイゼーションされたデータをAIや機械学習を適宜取り入れることで、データドリブンな意思決定を支援します。また、開発と運用、セキュリティを一体化するDevSecOpsのアプローチにより、安全性とスピードを両立します。 - 脆弱性診断サービスから得た知見のフィードバックセキュリティソリューション事業で蓄積した脆弱性診断のノウハウや最新のセキュリティ情報を、当社及びグループ企業のシステム開発・運用に還元します。ゼロトラスト思想のもと、サイバーハイジーンに取り組み、常に最新の脅威に対応できる環境を整え、リスクを最小化します。
- クラウド・AI・DevSecOpsの積極活用
- グループシナジーと投資育成による事業拡大
- 他業種・他分野への積極的な投資と支援
当社のITサービス開発力を活かし、スタートアップや他業種の企業への出資・支援を行います。新規事業の立ち上げからICT導入までトータルでサポートすることで、グループ全体のエコシステムを拡大し、持続的な成長を目指します。 - 経営者による定期的なモニタリングとアドバイス
投資先企業を含めた財務・営業・ICT導入状況を定期的に確認し、必要に応じた経営方針や施策の調整を行います。月例会やオンライン会議などを通じて、ノウハウや技術リソースをグループ全体で共有し、相乗効果を高めます。
当社は、これらの方策を連動させることで、経営ビジョンに沿った効率的かつ持続的な成長を実現してまいります。
今後も、先端技術を柔軟に取り入れながら、少人数組織ならではのアジリティを最大限発揮し、お客様及びステークホルダーに高い価値を提供するための革新的な取り組みを続けていきます。
① 戦略を効果的に進めるための体制の提示
当社では、DX推進をはじめとする経営戦略を着実に実行するため、以下のような組織体制を整備しています。
経営トップの司令塔機能
経営者が「実務執行統括責任者」として、全社的なDX推進をリードします。各プロジェクトの進捗やリソース配分を一元的に管理し、迅速な意思決定を行うことで、少人数組織ならではの機動力を最大限に発揮します。アジャイルなプロジェクトチーム編成
当社にはフロントエンドからバックエンド開発、オンプレ・クラウドインフラ設計構築、セキュリティまで幅広い技術をカバーできるエンジニアが複数在籍しており、プロジェクトごとに柔軟なチーム編成を行っています。
部署の垣根を設けず、全員が積極的にアイデアや知見を共有することで、スピード感のあるサービス開発・導入を可能にしています。セキュリティ専門家の積極的関与
セキュリティソリューションを主軸とする当社の強みを生かし、情報処理安全確保支援士やCEHなどの有資格者がプロジェクト初期段階から参画します。脆弱性診断の知見を常にフィードバックし、DevSecOpsやゼロトラストといった最新の手法を取り入れることで、安全性と効率性を両立します。
定期的なモニタリングとフィードバック
週次または必要に応じたミーティングで進捗状況や課題を共有し、優先度の再検討や追加リソースの投入を適宜行います。
小規模企業だからこそ可能な密なコミュニケーションと迅速な意思決定により、プロジェクトの方向性を常に最適化します。投資育成事業との連携
当社の投資育成事業で得られるノウハウやグループ企業のリソースを、必要に応じてプロジェクトに取り入れます。
経営者自身が月例会などでグループ企業と連携し、新たな技術導入や業務改善の事例を相互に活用することで、DX戦略をより高い次元で推進します。
上記の体制を軸として、当社は迅速かつ柔軟なDX推進を図り、お客様及びステークホルダーに対して高い付加価値を提供し続けます。
今後も、定期的な体制の見直しと改善を重ねながら、より効果的に戦略を実行してまいります。
② 最新の情報処理技術を活用するための環境整備の具体的方策の提示
当社では、少人数組織ながらも高度かつ幅広い技術領域をカバーできるフルスタック技術者が複数在籍しており、最新の情報処理技術を活用するため、以下の具体的な方策を実施しています。
クラウド基盤の活用と運用負荷の軽減
スケーラブルなクラウドサービスの導入
必要なときに必要なだけリソースを確保できるクラウド環境を採用し、オンプレミスサーバーに比べて初期投資や運用負荷を大幅に削減。
短期間でPoC(概念実証)を実施し、本番環境へスムーズに移行するための俊敏性を確保しています。インフラのコード化(Infrastructure as Code)
TerraformやAWS CloudFormationなどのツールを用いてインフラ設定をコード化することで、設定ミスの低減や迅速な環境再構築を実現。
自動化された環境で小さなチームでも大規模リソースを管理可能にしています。
AI・データ活用基盤の整備
データドリブンな意思決定の支援
顧客データやシステムログなどを蓄積・分析するため、データウェアハウスやBIツールを導入。
AIや機械学習の活用により、セキュリティ脆弱性の予測や不正アクセスの兆候検知など、高度な運用自動化を目指しています。PoC主導の小規模導入と段階的拡張
新技術を一気に導入するのではなく、まずはスモールスタートでPoCを実施し、有用性や効果を検証した上で段階的に導入範囲を広げることで、リスクを抑えつつ着実に新技術を導入しています。
DevSecOpsとゼロトラストを軸としたセキュアな開発・運用体制
DevSecOpsパイプラインの構築
開発からテスト、セキュリティ診断、デプロイまでを一貫して自動化し、継続的かつ高速にアップデートを行います。
セキュリティソリューション事業の知見を活かした脆弱性チェックをパイプラインに組み込むことで、セキュアかつ迅速なリリースを実現しています。ゼロトラストアーキテクチャの採用
「誰も信用しない」という思想のもと、アクセスのたびに認証・認可を厳格に行うゼロトラストモデルを導入。
クラウド環境やリモートワークの普及に対応し、安全なネットワーク境界を維持しながら生産性の向上を図ります。
継続的な教育・情報共有の推進
最新技術やセキュリティ情報の定期学習会
社内勉強会やオンラインセミナーを活用し、技術トレンドや脆弱性情報を常にアップデート。少人数だからこそ、エンジニア間の知見共有を密に行い、新技術の吸収を加速させています。
グループ企業や投資先とのナレッジシェア
当社の投資育成事業で得られる知識や、グループ企業が保有する新技術に関するノウハウを相互活用。月例会などを通じて、ICT導入の事例や運用ノウハウを共有し、グループ全体のデジタル化水準を底上げしています。
上記の方策を組み合わせて実行することで、当社は最新の情報処理技術を活用しながら、少人数組織でも高い生産性と堅牢なセキュリティを両立しています。今後も新技術の積極的な採用と既存システムの継続的な改善を進め、お客様及びステークホルダーに対して革新的な価値を提供してまいります。
戦略の達成状況に係る指標
当社では、DX推進の成果を客観的に測定し、継続的な改善サイクルを回すために、以下の指標を中心に達成状況をモニタリングしています。
セキュリティ品質
脆弱性診断結果
当社のセキュリティソリューション事業で蓄積しているノウハウを活用し、定期的に脆弱性診断を実施。その検出件数の推移や深刻度をモニタリングし、継続的な改善につなげます。
インシデント発生件数
不正アクセスや情報漏洩などのセキュリティインシデントの有無、発生件数・被害規模を定期的に確認。ゼロトラストモデルやDevSecOpsの効果を評価します。
生産性・業務効率化の向上
業務時間削減率
デジタル技術による業務プロセスの自動化や最適化を進めることで、従来業務にかかっていた時間をどの程度削減できたかを測定します。
残業時間の変動
システム導入や効率化施策を通じて、残業時間がどの程度改善されたかをモニタリング。少数精鋭体制の維持と社員のワークライフバランスを両立させる指標としています。
グループシナジー・投資育成成果
グループ企業との共同プロジェクト数
グループ内外のリソース活用や新規事業支援の成果を、共同プロジェクト数や共同リリース数として測定。
投資先企業の成長指標
投資育成事業を通じた売上成長や利益率、ICT導入状況などを定点観測し、当社の支援効果を把握します。
上記の指標を定期的に追跡・評価し、結果をもとに改善策を講じることで、当社はDX推進と事業成長を確実に進めていきます。今後も、時代や事業環境の変化に合わせて指標をアップデートし、継続的な価値提供を行ってまいります。
代表メッセージ
当社は、セキュリティ分野で培った高度な技術力と、小規模だからこそ発揮できる機動力を武器に、DX推進を経営の最重要課題と位置付けています。私自身が実務執行統括責任者として、全社横断の視点でリソースを最大限に活用し、スピード感ある意思決定と柔軟な戦略展開をリードしてまいります。
今後も先端技術を積極的に取り入れると同時に、投資育成事業やグループシナジーを通じた新たな価値創造に挑戦し続けることで、ステークホルダーの皆様に安心と成長の両軸を提供してまいります。今後とも、当社の取り組みにぜひご期待ください。